11万の馬が見せた「豪州ドリーム」 スプリンターズS(日・GⅠ)

10月1日、中山競馬場グローバル・スプリント・チャレンジの第6戦のスプリンターズS(3歳上・芝1200m)が行われ、1番人気でJ.フォード騎手騎乗のテイクオーバーターゲット Takeover Target(セン7・豪・J.ジャニアック厩舎)が先頭から直線で抜け出すと、10番人気メイショウボーラーを2.1/2馬身差付けて優勝しました。

勝ち馬の父はケルティックスウィング Celtic Swing(1992年生まれ・愛国で繋養?・その父ダミスター Damister)、母はShady Stream(その父アークレジェンド Archregent)という血統。

勝ち馬は03年の7月に行われたセールで1250豪ドル(約11万円)でタクシーの運転手で生計を立てているオーナー兼トレーナーであるジャニアック師によって落札されました。豪州では調教師の副業は珍しくなく殆ど調教師が別に職を持っているそうです。

04年の4月にデビュー。デビューから7連勝でサリンジャー(豪・GⅠ)を制し、GⅠ初制覇を挙げます。

05ー06年はグローバル・スプリント・チャレンジに意欲的に参戦、サマーS(豪・GⅢ)から3連勝で第1戦のライトニングSライトニングSを制しGⅠ2勝目を挙げ、第3戦のキングススタンドS(英・GⅡ)を制し、第4戦ゴールデンジュビリーS(英・GⅠ)でも3着と好走します。

今期も国外の英国のジュライC(英・GⅠ)からスタート。日本に遠征し前走の第5戦のセントウルSで2着と好走、今回も制し合計53ポイントを獲得、最終戦香港スプリントを残してシリーズ優勝を決め、シリーズボーナスの100万ドルを獲得しました。

次走は香港スプリントで三ヶ国のGⅠ競走を制した追加ボーナス(更に100万ドル)を狙います。それにしても僅か約11万円で購入した馬が、何億ものお金を稼ぐなんてまさに「豪州ドリーム」ですね^^

ちなみに3着には16番人気(最低人気)のタガノバスティーユが入り3連単はJRAGⅠ最高配当の2637570円という大波乱となりました。もしかしたら「日本ドリーム」を掴んだ人もいるかも知れませんね。

それにしても去年はサイレントウィットネス Silent Witnessが優勝し、今年の安田記念ブリッシュラック Bullish Luckが優勝と日本の短距離界の低迷が浮き彫りになりました。短距離で2.1/2馬身差は明らかに実力の差です。頑張って欲しいものです。

またサマー・スプリント・シリーズも日本馬達の敗因に思います。。夏に使い込んでしまったら、10月に行われるスプリンターズSでは疲労が蓄積されていつもの走りが出来ないのではないでしょうか?幾つかの課題が見えたレースだったと思います。