連闘でも実力発揮! スプリントC(英・GⅠ)

現地時間9月2日、英国のヘイドックパーク競馬場でスプリントC(3歳上・芝1600m)が行われ、1番人気でK.ダーレー騎手騎乗のレヴァレンス Reverence(セン5・英・E.アルストン厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はマークオブエスティーム Mark of Esteem(1993年生まれ・ダーラムホールスタッド Dalham Hall Studで繋養・その父ダルシャーン Darshaan)、母はImperial Bailiwick(その父インペリアルフロンティア Imperial Frontier)という血統。

マークオブエスティームは、初年度産駒からアミーラット Ameeratが英1000ギニーを制し、サーパーシー Sir Percyが今年の英ダービーを制しています。今後が楽しみな種牡馬ですね^^

勝ち馬は05年の5月にデビュー。2戦目で未勝利を脱出し、今年のテンプルS(英・GⅡ)で重賞初制覇を挙げています。

GⅠ初挑戦となった前走のナッソーSでも優勝、GⅠ初制覇を挙げ、今回は連闘でのレースとなりましたがGⅠ2勝目を挙げました。次走は凱旋門賞当日に行われるアベイユドロンシャン(芝1000m)に向かいます。

やっと3/4馬身差が届いた! アラバマS(米・GⅠ)

現地時間8月19日、米国のサラトガ競馬場でトリプルティアラ第3戦のアラバマS(3歳牝・ダ2000m)が行われ、1番人気でJ.カステラーノ騎手騎乗のパインアイランド Pine Island(牝3・米・C.マクゴーヒー厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はアーチ Arch(1995年生まれ・米国のクレイボーンファーム Claiborne Farmで繋養・その父クリスエス Kris S.)、母はMatlacha Pass(その父シーキングザゴールド Seeking the Gold)という血統。

勝ち馬は06年の3月にデビュー。未勝利戦を初戦で脱出すると、続く一般戦も優勝します。

3戦目に初GⅠ挑戦となったトリプルティアラ第1戦のマザーグースSで3/4馬身差の2着と好走すると、続く第2戦のCCAオークスでも3/4馬身差の2着と惜敗、第3戦にして悲願のGⅠ制覇を達成しました。

結局トリプルティアラは第1戦がブッシュファイア Bushfireが、第2戦がワンダーレディアンネエル Wonder Lady Anne Lが、そして第3戦がパインアイランドと今年の米三冠と同じく3頭で分ける形となりました。BCディスタフに3頭が揃う事を楽しみにしています^^

馬の恩返し! アーリントンミリオン(米・GⅠ)

現地時間8月12日、米国のアーリントンパーク競馬場アーリントンミリオン(3歳上・芝2000m)が行われ、4番人気でV.エスピノーザ騎手騎乗のザティンマン The Tin Man(セン8・米・R.マンデラ厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はアファームド Affirmed(1975年生まれ・01年に死亡・その父イクスクルシヴネイティヴ Exclusive Native)、母はLizzie Rolfe(その父トムロルフ Tom Rolfe)という血統。

01年の9月にデビュー。ザティンマンは2歳の時に両足に屈腱炎を発症し、その手術の為にデビューが3歳の9月になってしまいました。4歳には殆どの馬が引退してしまう米国では珍しい事ですが、馬優先主義のR.マンデラ調教師にとっては至極当たり前のことだったようです。ちなみに日本でもレディブロンドという馬が5歳と8ヶ月でデビューしています。(あの方は日本が誇る名伯楽です。)

02年のアメリカンH(米・GⅡ)で重賞初制覇を挙げクレメントLハーシュ記念ターフ選手権でGⅠ初制覇を挙げます。しかしその後は全く勝ちきれず、更に球節を故障1年以上の休養を余儀なくされます。

06年に入るとドバイデューティーフリーで2着と好走、休養を挟み、前走のアメリカン招待H(米・GⅡ)も優勝し、今回GⅠ2勝目を挙げました。

藤澤調教師の著作した本の中にこんな言葉があります。
「馬は辛抱強く使い続けていれば必ず恩返しをしてくれる」、馬を信じ8歳まで辛抱強く見続けたR.マンデラ調教師の愛情がもたらしたGⅠ勝利であったと思いました。

アルゼンチンからの侵略者! ホイットニーH(米・GⅠ)

現地時間8月5日、米国のサラトガ競馬場でホイットニーH(3歳上・ダ1800m)が行われ、2番人気でF.ハラ騎手騎乗のインヴァソール Invasor(牡4・米・K.マクラフリン厩舎)が、後方から徐々に上がっていき、直線入り口で先頭に立つと、外から追走した3番人気サンキング Sun Kingをハナ差押さえて優勝しました。

勝ち馬の父はキャンディストライプス Candy Stripes(1982年生まれ・アルゼンチンで繋養・その父ブラッシンググルーム Blushing Groom)、母はQuendom(その父インタープレート Interprete)という血統。

父キャンディストライプスはアルゼンチンのチャンピオンサイヤーで半弟に97年の天皇賞・秋を制したバブルガムフェロー(父サンデーサイレンス Sunday Silence)、半妹の仔に03年の菊花賞を制したザッツザプレンティがいます。

勝ち馬は05年の2月にウルグアイでデビュー。宇2000ギニー、宇ジョッキークラブ大賞、宇ダービーを制し史上21頭目ウルグアイ三冠馬となります。

05年の12月に現厩舎に移籍、USEダービーこそ4着に敗れましたが、続くピムリコスペシャルHでGⅠ初制覇を挙げ、前走のサバーバンHも制し、今回でGⅠ3連勝となりました。

主だったチャンピオンホースが引退し、ケンタッキーダービー馬のバーバロ Barbaroも故障するなど、チャンピオンホースがいない今期、このまま無事に夏を越せばBCクラシック制覇も夢ではないと思います。史上初のアルゼンチン産のクラシック制覇を是非成し遂げて欲しいですね^^

ちなみに馬名はスペイン語で「侵略者」という意味だそうです。

歴史的牝馬の走り! ナッソーS(英・GⅠ)

現地時間8月5日、英国のグッドウッド競馬場でナッソーS(3歳上牝・芝2000m)が行われ、1番人気でL.デットーリ騎手騎乗のウィジャボード Ouija Board(牝5・英・E.ダンロップ厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はケープクロス Cape Cross(1994年生まれ・愛国のキルダンガンスタッド Kildangan Studで繋養・その父グリーンデザート Green Desert)、母はSelection Board(その父ウェルシュページェント Welsh Pageant)という血統で、従兄に90年愛セントレジャーを制したイブンベイ Ibn Bey(その父ミルリーフ Mill Reef)がいます。

03年の10月にデビュー。04年目に英・愛オークス制覇し、秋には凱旋門賞で3着と好走、続くBCフィリー&メアターフを制し、カルティエ賞の欧州年度代表馬、最優秀3歳牝馬に選出、更にエクリプス賞の米最優秀芝牝馬に選出されるという偉業を達成しました。

05年はプリンスオブウェールズS(7着)のレース後骨折を発症し、休養を余儀なくされましたが、9月に復帰するとBCフィリー&メアターフ(2着)、JC(5着)と好走、暮れには香港にも遠征し香港ヴォーズを制しました。

06年も果敢に海外遠征をし、ドバイシーマクラシック(4着)、コロネーションS(2着)と好走し、前々走のプリンスオブウェールズSではデヴィッドジュニア David Juniorエレクトロキューショニスト Electrocutionistなどの牡馬を撃破し優勝しています。前走のエクリプスSは5着に敗れていましたが、今回アレクサンダーゴールドラン Alexander Goldrun、ナンニナ Nannina等強豪を押さえて優勝しました。

これでウィジャボードはGⅠ6勝目を挙げました。しかも英・愛・米・香と4ヶ国での優勝です。もしかしたら私達は後世に残る歴史的牝馬を観ているのかも知れませんね。

今後は未定ですが、恐らく獲れなかった凱旋門賞、更に連覇できなかったBCフィリー&メアターフを目指すのではないでしょうか?今後も楽しみです^^

個体識別用マイクロチップ導入へ!

宝塚記念を快勝したディープインパクト(牡4・日・池江泰郎厩舎)に、国産馬として初めて個体識別用のマイクロチップが埋め込まれました。

仏国では今年からすべての出走馬に対してマイクロチップの埋め込みが義務付けられている為、仏国のロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞に出走するディープインパクトにも義務付けられたものです。

マイクロチップは15桁の番号(国番号3桁+動物番号2桁+代理店番号2桁+個体番号8桁で構成されている)を書き込んだ超小型ICで専用の読み取り器で読み取る事で個体識別を行うものです。 馬の場合はたて髪の生え際付近に埋め込みます。

長さ14mm、太さ2mm程度の小さなチップで医療で使うエックス線や治療用高周波の影響を受けない安全なものということです。

以前、愛国で種牡馬入りをしたドバイエクセレンス Dubai Excellenceという馬が全く違う馬(サムード Samood)であった事がありました。こういった事も未然に防げると思います。(そういえばドバイエクセレンスはちゃんと戻ってきたのでしょうか?)

日本も来年度産駒からの埋め込みが義務付けられています。

トップジョッキーK.ファロン騎手、八百長疑惑で英国での騎乗停止!

現地時間7月3日、ロンドン市警察はK.ファロン騎手(41)ら11人を、八百長など不正行為の罪で起訴されました。

警察当局は、インターネットを通じて営業するブックメーカーの一つが競馬関係者に接触し、02年12月から04年9月にかけて80を越えるレースにおいて、ベットイクスチェンジで自らが関与する馬が「負ける」方に賭け、不正に配当をせしめていたことが発覚したのです。

またK.ファロン騎手は04年の3月2日に、英国のリングフィールド競馬場で行わなわれたメイドンでバリンガーリッジ Ballinger Ridge(セン5)に騎乗、トップを走っていながらスピードを落とし故意に負けたとして疑惑を持たれていました。(疑惑とは別にレース中の規則違反で21日間の出場停止処分を受けています)

ファロン騎手は保釈されましたが、英国競馬の騎乗停止処分を受けました。(愛国、仏国での騎乗は可)これによってキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSに出走する有力馬ハリケーンラン Hurricane Runに騎乗することは難しくなりました。

K.ファロン騎手は、英国リーディングを6度獲得したトップジョッキーで、起訴前日に行われた愛ダービーで、ディラントーマス Dylan Thomasを勝利に導いていました。それだけに残念なニュースです。

しかし不正は許せないと思います。しかしそれは主催者の管理問題もあると思います。JRAは不正防止策として騎手はレース前日に調整ルームに入らなければならないという規定を設けています。日本を見習って欲しいですね。

不正をすれば多くの関係者に迷惑が掛かります。馬主、生産者、陣営、何よりも馬達の運命を変えてしまう可能性もあります。不正は絶対あってはならないものだと思います。