刮目せよ!これが来年の英三冠馬! ナショナルS(愛・GⅠ)

現地時間9月17日、愛国のカラ競馬場でナショナルS(2歳・芝1400m)が行われ、2番人気でK.マニング騎手騎乗のテオフィロ Teofilo(牡2・愛・J.ボルガー厩舎)が2番手から直線半ばで抜け出し、圧倒的1番人気のホリーローマンエンペラー Holy Roman Emperorの追撃を1.1/4馬身差を付けて優勝しました。

ガリレオ Galileo(1998年生まれ・愛国のクールモアスタッド Coolmore Studで繋養・その父サドラーズウェルズ Sadler's Wells)、母はSpeirbhean(その父デインヒル Danehill)という血統。

06年の7月にデビュー。未勝利を初戦で快勝すると、続く一般戦も優勝、重賞初挑戦となった前走のフューチュリティSも優勝し、無敗のままGⅠ馬となりました。

この結果、来年行われる英2000ギニーの有力候補のトップに名前が挙がり、5〜7倍の単勝オッズが付きました。

しかし管理しているJ.ボルガー調教師の野望は英2000ギニーでは留まらず、先日英セントレジャーを同じガリレオ産駒が上位独占した事を挙げ、何と英三冠を意識した発言をしました。もしこれが本当でそして達成されるというならば70年のニジンスキー Nijinsky以来の偉業となります。来年が非常に楽しみです^^

名牝を引き合いに出して誉め称え! ローズS(日・GⅡ)

9月17日、中京競馬場でローズS(3歳牝・芝2000m)が行われ、1番人気で武豊騎手騎乗のアドマイヤキッス(牝3・日・松田博資厩舎)が、逃げる8番人気のシェルズレイをゴール前で1/2馬身差捕らえて優勝しました。

勝ち馬の父はサンデーサイレンス Sunday Silence(1986年生まれ・死亡・その父ヘイロー Halo)、母はキッスパシオン(父ジェイドロバリー Jade Robbery)という血統。

05年の7月にデビュー。3戦目で未勝利を脱出しすると続くチューリップ賞で重賞初制覇を挙げます。ちなみにこの時もシェルズレイが2着に入っています。

しかし本番の桜花賞は1番人気に押されながらも2着に敗れ、更に優駿牝馬でも1番人気に押されながらも4着に敗れました。

武豊騎手は「アドマイヤグルーヴヤマカツリリーをかわしたレース(02年のローズS)を調度思い出しました」とエリザベス女王杯を連覇した名馬を引き合いに出して褒め称えました。(但し、アドマイヤグルーヴはクラシック全て1番人気だったのに無冠で終わっています。そこまで似なければいいのですが・・・^^;)

ちなみに4馬身差の3着には2番人気フサイチパンドラが入り、上位3頭には秋華賞への優先出走権が与えられました。

ぶっつけ本番で挑むカワカミプリンセスが待っています。今度こそGⅠのタイトルを掴みたいですね。

勝ったのは何とダート1勝馬! セントライト記念(日・GⅡ)

9月17日、中山競馬場セントライト記念(3歳・芝2200m)が行われ、12番人気でL.イネス騎手騎乗のトーセンシャナオー(牡3・日・森秀行厩舎)が4番人気トウショウシロッコに1.1/2馬身差を付けて優勝しました。

勝ち馬の父はサンデーサイレンス Sunday Silence(1986年生まれ・死亡・その父ヘイロー Halo)、母はジョウノエンジェル(その父トウショウボーイ)という血統。

05年の9月にデビュー。新馬戦、未勝利戦と勝ちきれず、4戦目に佐賀で行われたグリーンC(ダ1400m)で初勝利を挙げます。しかしその後全く勝ちきれず、格上挑戦となった今回のレースで2勝目と重賞初制覇を挙げました。

また鞍上のL.イネス騎手はニュージーランドから短期免許で来日して僅か9戦目でJRA初優勝と重賞初制覇を挙げました。ニュージーランドといえばニュージーランドC、オークランドC、ウェリントンC(全て3200m)と長距離レースの多い国です。もし菊花賞もL.イネス騎手が手綱を取るようならば非常に怖い存在です。メイショウサムソンの三冠を阻止するのはもしかしたらこの馬かも知れませんね。

ちなみに3着には7番人気のミストラルクルーズが入りこの上位3頭に菊花賞の優先出走権が与えられました。また1番人気に押されたフサイチジャンクは6着、5番人気に押された桜花賞キストゥヘヴンは5着、2番人気のミレニアムウイングは10着と大波乱、更にマツリダゴッホ接触し鞍上の蛯名正義騎が落馬、直後にいたネヴァブションもそのあおりを喰らって鞍上の石橋脩騎手も落馬と大混乱のレースでした。(人馬ともに無事だそうです)

殿下秘蔵の素質馬、開花! 愛セントレジャー(愛・GⅠ)

現地時間9月16日、愛国のカラ競馬場愛セントレジャー(3歳上・芝2800m)が行われ、2番人気でM.キネーン騎手騎乗のカストリア Kastoria(牝5・愛・J.オックス厩舎)が圧倒的1番人気に支持されたイェーツ Yeatsを1/2馬身差付けて優勝しました。

勝ち馬の父はセルカーク Selkirk(1988年生まれ・英国のランウェイズスタッド Lanwades Studで繋養・その父シャーペンアップ Sharpen Up)、母はKassana(その父シェルナザール Shernazar)という血統。

カストリアは鼻が悪かったそうです。そしてその手術の為に4歳とデビューが遅れてしまいました。しかし馬主のアガ・カーン殿下はその素質の高さに惚れ込み、いつまでも待つつもりだったそうです。殿下の牝馬が4歳以降も現役を続けていることはまずないそうで、惚れ込みようが伺えます。

05年の6月にデビュー。デビューから3戦連続で2着と惜敗が続きますが、4戦目で初勝利を挙げます。その後も堅実な走りをして、前々走のカラC(愛・GⅢ)で重賞初制覇を挙げると前走の準重賞も制し、3連勝でゴールドC、グッドウッドCと長距離で強い勝ち方をしたイェーツを押さえて今回GⅠ初制覇を挙げました。ちなみにこの2頭の後ろは10馬身差を付けていたそうです。この2頭がいかに強かったかがわかります。

次走はカナディアン国際Sに向かう予定だそうです。もし来年も現役を続けているのであれば是非天皇賞・春にも来て欲しいですね^^

アドマイヤジャパンに続いてリンカーンも引退!

また名馬がターフを去りました。

06年の日経賞を制したリンカーン(牡6・日・音無秀孝厩舎)が右前浅屈腱炎を発症し、9月14日付けで現役登録を抹消し、種牡馬入りすることになりました。

リンカーンは父サンデーサイレンス Sunday Silence、母はグレースアドマイヤ(その父トニービン)という血統で、母の半兄に96年の東京優駿を制したフサイチコンコルド(その父カーリアン Caerleon)が、母の全弟に種牡馬として成功しているミラクルアドマイヤがいます。

02年の10月にデビュー。3戦目で未勝利戦を脱出すると3連勝し一気にクラシック候補に名乗りを上げます。

しかし東京優駿では8着と惨敗、夏の休養を挟んで挑んだ神戸新聞杯でも4着と振るいませんでした。ところが本番の菊花賞では2着と大健闘、続く有馬記念でも2着に入り存在感を示します。

04年の阪神大賞典で重賞初制覇を挙げ、1番人気で天皇賞・春に臨みましたが、イングランディーレのまさかの大逃げの前に13着と惨敗してしまいます。その後は宝塚記念では3着と健闘しますが、天皇賞・秋では13着と惨敗してしまいます。

05年の春は阪神大賞典3着、天皇賞・春6着、宝塚記念4着と振るわず、秋には京都大賞典を制していますが、続く天皇賞・秋では15着と惨敗してしまいます。前年もそうでしたがこの馬には2000mでは短すぎるのかも知れませんね。それが証拠にJCで4着、有馬記念を3着と好走しています。

06年こそGⅠをという彼の前にとてつもない大きな壁が立ち塞がります。前年の三冠馬ディープインパクトです。
横山典弘騎手を鞍上に迎え、日経賞を快勝し天皇賞・春に向かいます。しかし三冠馬にレコードで3馬身差を付けて圧勝されリンカーンは2着と惜敗、鞍上の「時代が悪いよ、時代が」という台詞が全てを物語りました。

宝塚記念9着の後、ディープインパクトがいない天皇賞・秋、JCを目指し調整をしていた矢先に屈腱炎を発症、ついにGⅠに手が届かず引退となりました。通算成績23戦6勝。

アドマイヤジャパンに続き、リンカーンまでも引退し、打倒ディープインパクトの有力旗印が消えてしまった事が残念でありません。GⅠを獲って欲しかったですが、その夢は仔に託したいと思います。
お疲れさまでした。

ドバイマネー大爆発! 1170万ドル馬誕生!

現地時間9月12日、米国のケンタッキー州レキシントンでキーンランド・セプテンバーイヤリングセールが開催され、Crown of Crimsonの牡馬(父キングマンKingmambo)が、シェイク・モハメド殿下の代理人のJ.ファーガソン氏によって1170万ドル(約13億8000万円)で落札されました。

落札価格としては同セール史上最高価格で、歴代では85年のキーンランド・ジュライイヤリングセールで落札されたシアトルダンサーの1310万ドル(32億円^^;)に次ぐ歴代2位の落札価格となりました。

またJ.ファーガソン氏はこの2日間で25頭を購入、購入金額は5688万5000ドルと総売上の31.1%に当り、ドバイマネーの底なしさを思い知らされました。

日本の購入者としては、トゥザヴィクトリー2006を6億で購入した多田信尊氏が、95年のマザーグースS、ハンケル招待HなどGⅠ11勝し、同年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選出されたセレナズソング Serena's Songの牡馬(父エーピーインディ A.P.Indy)を150万ドル(約1億7600万円)で、00年のマルセルブサック賞(仏・GⅠ)を制したアモニタ Amonitaの牡馬(父キングマンKingmambo)を125万ドル(約1億5000万円)でそれぞれ落札しています。

セレナズソングは02年のコロネーションSを制したソフィスティキャット Sophisticatを輩出し、繁殖馬としての価値も上がっていたので、良い買い物だったと思われます。

購入された馬達が無事に競走馬としてターフ(ダート)に立つ事を楽しみにしています^^

日本の最強馬を迎え撃つ、仏国の名門厩舎! ニエル賞(仏・GⅡ)

現地時間9月10日、仏国のロンシャン競馬場凱旋門賞の前哨戦ニエル賞(3歳牡牝・芝2400m)が行われ、1番人気でC.スミヨン騎手騎乗のレイルリンク Rail Link(牡3・仏・A.ファーブル厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はダンジリ Dansili(1996年生まれ・英国のバンステッドマナースタッド Banstead Manor Studで繋養・その父デインヒル Danehill)、母はDocklands(その父シアトルカル Theatrical)という血統。

06年の4月にデビュー。デビュー戦のサンシモン賞(一般戦)でラチにぶつかり騎手を落馬させ競走中止にしています。しかしモンパニョッテ賞(一般戦)こそ2着に敗れますが、その後は負け知らずで、リス賞(仏・GⅢ)で重賞初勝利を挙げると、パリ大賞典でGⅠ初制覇を挙げ、今回4連勝目を挙げました。

C.スミヨン騎手はこの日フォワ賞、ヴェルメイル賞、そしてニエル賞と3勝を挙げる絶好調で、またこれでA.ファーブル厩舎は凱旋門賞ハリケーンラン Hurricane Runシロッコ Shiroccoに続く怖い存在を送り出すことになりました。

勝ち馬はロンシャン競馬場の芝2400mで3勝しており、同じ舞台で行われる凱旋門賞では非常に怖い存在です。またニエル賞から凱旋門賞を制した馬はカーネギー Carnegie、エリシオ Helissio、サガミクス Sagamix、モンジュー Montjeu、シンダー Sinndar、ダラカニ Dalakhani、そしてハリケーンラン錚々たるメンバーが名を連ねており、軽量も軽いこともありけして軽視できる存在ではないと思います。

ハリケーンランシロッコ、そしてレイルリンクと地元のA.ファーブル厩舎が送り出す強豪を相手に日本から遠征するディープインパクトがどう対抗するか、本番が待ち遠しいです。