失格さえなければ5連勝! ヴェルメイユ賞(仏・GⅠ)

現地時間9月10日、仏国のロンシャン競馬場ヴェルメイユ賞(3・4歳牝・芝2400m)が行われ、2番人気でC.スミヨン騎手騎乗のマンデシャ Mandesha(牝3・仏・A.ロワイユデュプレ厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はデザートスタイル Desert Style(1992年生まれ・繋養国は仏国だと思います・その父グリーンデザート Green Desert)、母はMandalara(その父ラヒブ Lahib)という血統。

父デザートスタイルはテトラークS(愛・GⅢ)などを重賞3勝した程度の馬でしたが、種牡馬としては一流で仏・愛2000ギニーを制したバチアー Bachirなどを輩出しています。

勝ち馬は06年の4月にデビュー。初戦こそ7着でしたがそれからは2連勝します。初の重賞挑戦となったクロエ賞(仏・GⅢ)は1着入線しながら進路妨害で失格になってしまいますが、続く前走のアスタルテ賞でGⅠ初制覇を挙げています。今回、GⅠ連勝で2勝目となります。

次走は凱旋門賞も視野にあったのですが、牝馬限定戦のオペラ賞に向かうようです。プライド Prideとの対決が楽しみだったのでちょっと残念ですね。

万全の状態をアピール! フォワ賞(英・GⅡ)

現地時間9月10日、仏国のロンシャン競馬場凱旋門賞の前哨戦のフォワ賞(4歳上・芝2400m)が2番人気でC.スミヨン騎手騎乗のシロッコ Shirocco(牡5・仏・A.ファーブル厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はモンズーン Monsun(1990年生まれ・独国のシュレンダーハン牧場 Gestut Schlenderhanで繋養・その父ケーニヒスシュトゥール Konigsstuhl)、母はSo Sedulous(その父ザミンストレル The Minstrel)という血統。

僅か5頭立てとなりましたが、その中には優勝したシロッコの他に前年の凱旋門賞の覇者で、今年キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSを制したハリケーンラン Hurricane Run、そのハリケーンランサンクルー大賞で敗ったプライド Prideが顔を揃え、さながら凱旋門賞を思わせるレースとなりました。

レースもその三頭で争われ、シロッコが残り300mで先頭に立つとハリケーンランが追走、クビ差で追撃を押さえ、更にクビ差にプライドが入り、3頭とも調整が万全であることをアピールしました。

勝ち馬は04年の3月に独国のA.シュッツ厩舎からデビュー。04年の独ダービーで初GⅠ制覇を上げ、一戦挟んだ伊ジョッキークラブ大賞でGⅠ2勝目を上げます。そのレース後今の仏国のA.ファーブル厩舎に移籍します。

05年には凱旋門賞こそ4着に敗れますが、続くBCターフで優勝、更に今年に入りジョッキークラブS(英・GⅡ)、コロネーションCと重賞を連勝、今回重賞4連勝目を飾りました。

次走はもちろん凱旋門賞です。しかしここ十年フォワ賞からの優勝馬は出ていません。(3歳が斤量が軽く圧倒的有利)日本から遠征するディープインパクトの本当の敵は彼らではなく3歳馬かも知れませんね。

素敵! 放牧で心機一転! 京成杯オータムH(日・GⅢ)

9月10日、中山競馬場京成杯オータムH(3歳上・芝1600m)が行われ、10番人気で後藤浩輝騎手騎乗のステキシンスケクン(牡3・日・森秀行厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はダンジグ Danzig(1977年生まれ・死亡・その父ノーザンダンサー Northern Dancer)、母はAutumn Moon(その父ミスタープロスペクター Mr. Prospector)という血統で、母の半兄に日本で種牡馬入りをしたアカビール Akabir(その父リヴァーマン Riverman)や、全兄に90年ミドルパークSを制したリシウス Lyciusがいます。

05年12月にデビュー。新馬戦(芝1200m)を勝ち、06年のアーリントンCで重賞初制覇を挙げます。しかし続く皐月賞では12着、更にNHKマイルC17着、アイビスサマーダッシュ12着と惨敗が続きました。

陣営は放牧に出し立て直しを図ります。それが功を奏し、今回低評価ながらも重賞2勝目を挙げました。

次走はスプリンターズSに向かいます。本番でも好スタートで先手を奪い気持ちよく走ればGⅠ制覇も夢ではないと思います。

初代夏の短距離王はシーイズトウショウ! セントウルS(日・GⅡ)

9月10日、中京競馬場サマースプリントシリーズ終戦グローバル・スプリント・チャレンジの第5戦のセントウルS(3歳上・芝1200m)が行われ、1番人気で池添謙一騎手騎乗のシーイズトウショウ(牝6・日・鶴留明雄厩舎)が2着のテイクオーバーターゲット Takeover Targetに3馬身差を付けて完勝しました。

勝ち馬の父はサクラバクシンオー(1989年生まれ・早来町社台スタリオンステーションで繋養・その父サクラユタカオー)、母はジェーントウショウ(その父トウショウフリート)という血統で、母の半兄に91年の桜花賞を制したシスタートウショウ(その父トウショウボーイ)がいます。

02年の8月にデビュー。2戦目の新馬戦で初勝利挙げますが、その後1年以上勝ち星が遠ざかります。03年にはクラシックにも挑戦桜花賞で2着と好走しますが、優駿牝馬で12着と惨敗、その後は秋華賞も諦め短距離路線を進みます。その年の暮れのCBC賞で優勝。1年と4ヶ月ぶりの勝利で重賞初制覇を挙げます。

04、05年の函館スプリントSを制し、06年のCBC賞(今年から6月に変更)を制するなど短距離路線で活躍、更に新設されたサマースプリントシリーズにも果敢に挑戦し、函館スプリントS2着(5ポイント)、キーンランドC2着(5ポイント)、そして今回(12ポイント+1着必須)で見事初代サマースプリント女王に輝き、賞金5000万円が寄贈されました。

こうなると狙うは次走のスプリンターズSでのGⅠ初制覇です。ただ怖い存在は今回59キロを背負って2着と好走したテイクオーバーターゲットの存在です。本番では57キロと軽くなるので、シーイズトウショウの大きな壁になりそうです。

名馬中の名馬! エレクトロキューショニスト死去!

また名馬が逝きました。

現地時間9月9日、06年のドバイワールドCなどを制したエレクトロキューショニスト Electrocutionist(牡5・英・S.ビンスルール厩舎)が心臓発作を発症し、英国のニューマーケットで死亡しました。

エレクトロキューショニストは父がレッドラムサン Red Ransom、母がElbaaha(その父アラジ Arazi)という血統。

04年の4月に伊国のヴァリアニ厩舎からデビュー。05年のカルロダレッシオ賞(伊・GⅡ)で重賞初制覇を挙げると、続くミラノ大賞典でGⅠ初制覇を挙げています。

更に英インターナショナルSでは日本から遠征したゼンノロブロイを撃破、GⅠ2勝目を挙げます。

06年になるとゴルドフィンに移籍、英国のS.ビンスルール厩舎に転厩します。ダート初戦となったマクトゥームチャレンジ第3戦(首・GⅡ)で2着に7馬身差付けて圧勝すると、続くドバイワールドCも4.1/2馬身差(2着入線したBrass Hatが失格の為、3着入線入ったMagna Graduateとの差)を付けて圧勝しました。

その後プリンスオブウォールズSで1/2馬身差の2着、更にキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSで1/2馬身差の2着と好走していました。

週の初め(3日だと思います)に心臓に異常が見られたため、ニューマーケットの病院で検査を受けていたそうです。通算成績12戦8勝。

欧州芝良し、米国ダート良しで、12戦して8勝し、更に3着以下(2着3回、3着1回)には一度も来なかったという名馬中の名馬で、恐らく歴史的名馬になるだろうと思っていました。

日本から遠征した馬をことごとく撃破し、悔しい思いをしましたが、それ以上に名馬として称えていたので彼の訃報を聞いた時は本当に言葉を失いました。

もうあの馬の走りが見れないのかと思うと残念でありません。ハリケーンラン Hurricane Runハーツクライと肉薄したキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSの映像を観ると涙が出てきます。

お疲れさまでした。恐らく一生忘れる事が出来ない名馬でした。ゆっくりお休み下さい。ご冥福をお祈りします。

女王の座を賭けていざチャーチルダウンズへ! ガゼルS(米・GⅠ)

現地時間9月9日、米国のベルモントパーク競馬場でガゼルS(3歳牝・ダ1800m)が行われ、1番人気でJ.カステラーノ騎手騎乗のパインアイランド Pine Island(牝3・米・C.マクゴーヒー厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はアーチ Arch(1995年生まれ・米国のクレイボーンファーム Claiborne Farmで繋養・その父クリスエス Kris S.)、母はMatlacha Pass(その父シーキングザゴールド Seeking the Gold)という血統。

勝ち馬は06年の3月にデビュー。未勝利戦を初戦で脱出すると続く一般戦も優勝、2連勝を飾ります。GⅠ初挑戦となったマザーグースSで2着、続くCCAオークスでも2着と惜敗が続きますが、5戦目のアラバマSでGⅠ初制覇を挙げ、今回で2勝目を挙げました。

次走はBCディスタフに向かう様です。BCディスタフでの成績によってはエクリプス賞の最優秀3歳牝馬の可能性も出てきました。(マザーグースSを制したブッシュファイア Bushfireが最有力候補だと思います)頑張って欲しいですね。

自国で古馬強豪を撃破! 愛チャンピオンS(愛・GⅠ)

現地時間9月9日、愛国のレパーズタウン競馬場で愛チャンピオンS(3歳上・芝2000m)が行われ、1番人気でK.ファロン騎手騎乗のディラントーマス Dylan Thomas(牡3・愛・A.オブライエン厩舎)が優勝しました。

勝ち馬の父はデインヒル Danehill(1986年生まれ・死亡・その父ダンジグ Danzig)、母はLagrion(その父ダイイシス Diesis)という血統で、半姉に01年チェヴァリーパークS(英・GⅠ)を制したクイーンズロジック Queen's Logic(父グランドロッジ Grand Lodge)がいます。

勝ち馬は05年の6月にデビュー。未勝利を初戦で脱出すると続き一般戦も勝利します。今年初戦となったダービートライアルS(愛・GⅡ)で重賞初制覇を挙げると、続く英ダービーでは9番人気という低評価を覆す様な好走で頭、頭短差の3着に好走、続く愛ダービーでは伊・仏ダービー馬を押さえて優勝、GⅠ初制覇を挙げました。

前走の愛インターナショナルSでは4着と敗れましたが、ウィジャボード Ouija Board(2着)、アレクサンダーゴールドラン Alexander Goldrun(3着)など強豪を相手にGⅠ2勝目を挙げました。

これでA.オブライエン調教師は去年のオラトリオ Oratorioに続く連覇となり、またデインヒル Danehillも連覇となりました。事故で亡くなった事が本当に惜しいくらい産駒が活躍しますね。

次走は凱旋門賞には向かわずBCクラシックを目指すそうです。