これぞメジャー級! 天皇賞・秋(日・GⅠ)

10月29日、東京競馬場天皇賞・秋(3歳上牡牝・芝2000m)が行われ、4番人気で安藤勝己騎手騎乗のダイワメジャー(牡5・日・上原博之厩舎)が、大逃げをするインティライミを離れた2番手から見る形で追走し、残り400mで先頭に抜け出すと、後方から追走するスウィフトカレントを1/2馬身差押さえて優勝しました。

勝ち馬の父はサンデーサイレンス Sunday Silence(1986年生まれ・02年に死亡・その父ヘイロー Halo)、母は91年クイーンCなど重賞4勝のスカーレットブーケ(その父ノーザンテースト Northern Taste)という血統。

03年の12月にデビュー。2戦目のダートの未勝利戦で初優勝を挙げます。初の重賞挑戦となったスプリングSで11番人気ながら3着と好走し、皐月賞の優先出走権を得て皐月賞へ駒を進めます。

その本番で10番人気という低評価で優勝、GⅠ初制覇を挙げます。しかしその後は東京優駿6着、オールカマー9着、天皇賞・秋17着と全く振るいませんでした。

実はその頃からのどの疾病(喉鳴り)を患っていて、陣営は手術に踏み切ります。喉鳴りの手術は治る確立が低く、手術が成功しても多少の症状が残るそうです。陣営はまさに「決断」だったのでしょうね。

その手術も成功し、療養明け初戦となった05年ダービー卿CTでいきなり優勝します。次走となった安田記念こそ8着に敗れましたが、その後はまるで別の馬のように安定した成績を残し、今年のマイラーズCを優勝、そして前走の毎日王冠を優勝し、重賞連覇でGⅠ2勝目を挙げました。

次走はマイルCSに向かいます。結果はわかってしまっていますが(間隔が短いので仕方がないですね^^;)、また後日の日記で書きたいと思います。

余談になりますが、2着のスウィフトカレントに騎乗した横山典弘騎手は90年の東京優駿メジロライアン)から数えて35回目のGⅠ2着となりました。04年の天皇賞・春以来のGⅠ制覇に期待したいですね。

名伯楽、師匠越え! シャンペンS(米・GⅠ)

現地時間10月14日、米国のベルモント競馬場でシャンペンS(2歳・ダ1700m)が行われ、2番人気でJ.ヴェラスケス騎手騎乗のスキャットダディ Scat Daddy(牡2・米・T.プレッチャー厩舎)が、6番手追走から3コーナーで大外を回り、ゴール手前で抜け出し、1番人気のノービズライクショービズ Nobiz Like Shobizに3/4馬身差を付けて優勝しました。

勝ち馬の父はヨハネスブルグ Johannesburg(1999年生まれ・米国のアッシュフォードスタッド Ashford Studで繋養・その父ヘネシー Hennessy)、母はLove Style(その父ミスタープロスペクター Mr.Prospector)という血統。

父のヨハネスブルグは現役の2歳時(01年)に、BCジュベナイルを含むGⅠ4勝を挙げた馬で、現2歳が初年度産駒となります。スキャットダディが産駒のGⅠ初制覇となり、初年度からGⅠ勝ちの馬を出したことになりました。今後が期待される種牡馬ですね^^

勝ち馬は今年の6月にデビュー。未勝利戦を5.1/4馬身差を付けて圧勝すると、続くサンフォードS(米・GⅡ)を制し重賞初制覇を挙げます。

初のGⅠ挑戦となった前走のホープフルS(米・GⅠ)ではサーキュラーキー Circular Quayの2着に敗れていました。

この勝利で管理しているT.プレッチャー調教師は、これで今年のステークス勝利が93勝となり、87年に彼の師であるW.ルーカス調教師が樹立した92勝の記録を塗り替えました。今年BCにも多くの管理馬を送り出した、名伯楽の勢いはまだまだ止まりそうもないですね^^

女傑が有力馬を押さえて圧勝! 英チャンピオンS(英・GⅠ)

現地時間10月14日、英国のニューマーケット競馬場で英チャンピオンS(3歳上・芝2000m)が行われ、3番人気でC.ルメール騎手騎乗のプライド Pride(牝6・仏・A.ロワイユデュプレ厩舎)が、有力馬を見る形で5番目を追走、逃げるハリケーンラン Hurricane Runを捕らえると、そのまま突き放し後方から迫ってきたロブロイ Rob Royに3馬身差を付けて圧勝しました。

勝ち馬の父はパントレセレブル Peintre Celebre(1994年生まれ・愛国のクールモアスタッド Coolmore Studで繋養・その父ヌレイエフ Nureyev)、母はSpecificity(その父アレッジド Alleged)という血統で、伯父に82年英・愛セントレジャーを制したタッチングウッド Touching Wood、姪に今年の英1000ギニーを制したスペシオーサ Speciosaがいます。

勝ち馬は02年の8月に武豊騎手を鞍上にデビュー。04年のアレフランス賞(仏・GⅢ)で重賞初制覇を飾ると、コンセイユドパリ賞(仏・GⅡ)、翌年のジャンロマネ賞(仏・GⅡ)、フォワ賞(仏・GⅡ)、今年のコリーダ賞(仏・GⅡ)とコンスタントに重賞制覇し、続くサンクルー大賞典ハリケーンランを破ってGⅠ初制覇を挙げました。

秋はフォワ賞(3着)から始動、続く前走の凱旋門賞ではレイルリンク Rail Linkのクビ差の2着と好走、今回GⅠ2勝目となり、自国の仏国以外の重賞制覇となりました。

ちなみにハリケーンランはアタマ差の8頭立ての3着、英ダービー馬のサーパーシー Sir Percyは7着に敗れました。再起に期待したいですね。

ライバルを返り討ち! デューハーストS(英・GⅠ)

現地時間10月14日、英国のニューマーケット競馬場で行われたデューハーストS(2歳牡牝・芝1400m)は、1番人気でK.マニング騎手騎乗のテオフィロ Teofilo(牡2・愛・J.ボルガー厩舎)が、出遅れながらも1度は先頭に立った2番人気のホーリーロマンエンペラー Holy Roman Emperorの差し切りアタマ差を付けて優勝しました。

ガリレオ Galileo(1998年生まれ・愛国のクールモアスタッド Coolmore Studで繋養・その父サドラーズウェルズ Sadler's Wells)、母はSpeirbhean(その父デインヒル Danehill)という血統

今年の英ダービーサーパーシー Sir Percyが制するなど、クラシックに直結する登竜門レースだけに好メンバーが揃った今年のデューハーストS。中でも注目は2歳の中でも有力なテオフィロホーリーロマンエンペラーの再戦でした。

ホーリーローマンエンペラーは愛国の名伯楽A.オブライエン厩舎のクラシック有力馬で、フィーニクスS、仏グランクリテリウムとGⅠを2勝しています。しかしテオフィロに愛ナショナルSで敗れ、今回再び対戦しますが返り討ちという形で決着が付きました。

勝ち馬のテオフィロは06年の7月にデビュー。デビュー戦から2連勝で挑んだフューチュリティS(愛・GⅡ)も優勝し重賞初制覇を挙げます。続く愛ナショナルSも優勝、無敗のままGⅠ馬となり、今回GⅠ連勝となりました。

今回のレースでテオフィロは2歳牡馬チャンピオンの座を確固たるものとしました。また来年の英2000ギニーのオッズも3〜3.75倍という1番人気に押されています。(まぁ、来年の英三冠馬だから同然でしょう^^)春が楽しみですね^^

もうフロックなどとは言わせない! 毎日王冠(日・GⅡ)

10月8日、東京競馬場毎日王冠(3歳上・芝1800m)が行われ、3番人気で安藤勝己騎手騎乗のダイワメジャー(牡5・日・上原博之厩舎)が、道中2番手から4コーナーで先頭に立つと、いったんはダンスインザムードに差されながら差し替えし、クビ差押さえて優勝しました。

勝ち馬の父はサンデーサイレンス Sunday Silence(1986年生まれ・02年に死亡・その父ヘイロー Halo)、母は91年クイーンCなど重賞4勝のスカーレットブーケ(その父ノーザンテースト Northern Taste)という血統。

03年の12月にデビュー。2戦目の未勝利戦のダート戦で初勝利を挙げますが、次走の500万下条件戦にも勝ちきれず、格上挑戦でスプリングSに出走します。

そのスプリングSで3着と好走し、皐月賞出走権利を獲得し、皐月賞に駒を進めます。そして本番となった皐月賞では10番人気という低評価で優勝、50年のクモノハナ以来の1勝馬皐月賞馬となりました。

しかしその後は成績がまったく振るわず、東京優駿4着、オールカマー9着、そして天皇賞・秋17着と惨敗してしまいます。原因はのどの疾病(喉鳴り)を発症しており、陣営は思い切って治る確立が低いといわれる患部手術に踏み切ります。

手術が成功し、復帰戦となった05年ダービー卿CTでいきなり優勝、ようやく本来の力を発揮します。

その後も好走を続け、今年のマイラーズCを優勝、秋初戦となった今回も優勝し、けして左回りが苦手でないと証明し「盾獲り」に大きく前進しました。

2着のダンスインザムードも次走は天皇賞・秋となります。6戦して5勝されている同期の勝ち馬に秋の盾での決着を付けたいですね。

8連勝でディスタフに名乗り挙げ! ベルデイムS(米・GⅠ)

現地時間10月7日、米国のベルモントパーク競馬場でベルデイムS(3歳上牝・ダ1800m)が行われ、1番人気でJ.サントス騎手騎乗のフリートインディアン Fleet Indian(牝5・米・T.プレッチャー厩舎)が、スタートが出遅れながらも徐々に進出し、4コーナで先頭に立つと追い込んできたバレット Ballettoをアタマ押さえて優勝しました。

勝ち馬の父はインディアンチャーリー Indian Charlie(1995年生まれ・ケンタッキー州のエアドリースタッド Airdrie Studで繋養・その父インニクセル In Excess)、母はHustleeta(その父アフリート Afleet)という血統。

04年の10月に米国のJ.トナー厩舎からデビュー。デビューから4連勝で勝ち挙がりますが、ステークス戦になると勝ち上がれずにいました。

本格化したのは4歳の11月になってからで、ステークス戦を初勝利すると、続く一般戦も勝利します。

今年のキーンランドジャニュアリーセールで29万ドルで落札され、T.プレッチャー厩舎へと移籍するとまるで馬が変わったように活躍し始め、今年3月に行われたネクストムーヴH(米・GⅢ)で重賞初制覇を挙げると、続くシックスティセイルスH(米・GⅢ)、デラウェアH(米・GⅡ)を共に圧勝し、前走のパーソナルエンスンS(米・GⅠ)でGⅠ初制覇を挙げ、今回8連勝でGⅠ連覇を挙げました。

現在BCディスタフで1番人気に挙げられています。9連勝目をチャーチルダウンズで挙げられるか大いに期待したいですね^^

何故?疑惑だらけの世界最高峰レース! 凱旋門賞(仏・GⅠ)

現地時間10月1日、仏国のロンシャン競馬場凱旋門賞(3歳上・芝2400m)が行われ、4番人気でS.パスキエ騎手騎乗のレイルリンク Rail Link(牡3・仏・A.ファーブル厩舎)が直線で追い込んだ6番人気のプライド Prideをクビ差抑えて優勝しました。

勝ち馬の父はダンジリ Dansili(1996年生まれ・英国のバンステッドマナースタッド Banstead Manor Studで繋養・その父デインヒル Danehill)、母はDocklands(その父シアトルカル Theatrical)という血統。

06年の4月にデビュー。デビュー戦で騎手を落馬させ競走中止、続くモンパニョッテ賞も2着に敗れますが、その後は負け知らずで、リス賞(仏・GⅢ)で重賞初勝利を挙げると、パリ大賞典でGⅠ初制覇を挙げ、前走のニエル賞(仏・GⅡ)も優勝し、今回5連勝目を挙げました。

管理しているA..ファーブル調教師は、昨年のハリケーンランに続く連覇で、歴代最多の通算7勝目(87年のトランポリノ Trempolino、92年のスーボティカ Subotica、94年のカーネギー Carnegie、97年のパントセレブル Peintre Celebre、98年のサガミックス Sagamix)となりました。

1番人気で日本から遠征したディープインパクトは直線で一端先頭に立つも勝ち馬に抜かれ3着入線します。しかし仏国では使用禁止薬のイプラトロピウムが馬体から検出され、失格の可能性があります。(現在処分を検討中)

イプラトロピウムは気管支炎の薬で、日本ではドーピングには含まれないようです。ただ日本では取り扱っていない事や、服用すると身体能力の低下が起こる事、更に国内の獣医(仏国競馬では国内の獣医以外の診察を認められていません)なら禁止薬物と知っている筈なのに使用していた事など、様々な疑惑が残りました。それにしても残念な事ですね。

ちなみに去年の覇者で今年のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスDSを制した2番人気のハリケーンラン Hurricane Runは4着、3番人気のシロッコ Shiroccoは最下位8着に敗れています。