牝馬相手なら負けません! オペラ賞(仏・GⅠ)
現地時間10月1日、仏国のロンシャン競馬場でオペラ賞(3歳上牝・芝2000m)が行われ、2番人気でC.スミヨン騎手騎乗のマンデシャ Mandesha(牝3・仏・A.ロワイユデュプレ厩舎)が優勝しました。
勝ち馬の父はデザートスタイル Desert Style(1992年生まれ・繋養国は仏国だと思います・その父グリーンデザート Green Desert)、母はMandalara(その父ラヒブ Lahib)という血統。
勝ち馬は06年の4月にデビュー。初戦こそ7着と敗れますがその後は2連勝を飾ります。続くクロエ賞(仏・GⅢ)は1着入線しながら進路妨害で失格になってしまいますが、続くアスタルテ賞ではGⅠ初制覇を挙げ、更に前走のヴェルメイユ賞も優勝、凱旋門賞への出走のプランもあったのですが回避し、今回GⅠ3連勝目を挙げました。挑戦よりも無理せず牝馬限定戦に向かった陣営の勝利といえます。(でも、凱旋門賞に挑戦しても面白かったと思います)
1番人気に支持された英・愛オークス馬のアレクサンドローヴァ Alexandrovaが3着に敗れたことによってカルティエ賞の最優秀3歳牝馬の座の行方がわからなくなってきました。アレクサンドローヴァがBC等に出走し、優勝しない限りマンデシャで決まると思われます。両馬の今後の動向が気になるところです。
GⅠ2勝してもあの馬に勝てない 仏グランクリテリウム(仏・GⅠ)
現地時間10月1日、仏国のロンシャン競馬場で仏グランクリテリウム(2歳・芝1400m)が行われ、2番人気でK.ファロン騎手騎乗のホーリーローマンエンペラー Holy Roman Emperor(牡2・愛・A.オブライエン厩舎)が、4番人気バトルペイント Battle Paintに2馬身差を付けて完勝しました。
勝ち馬の父はデインヒル Danehill(1986年生まれ・03年に死亡・その父ダンジグ Danzig)、母L'On Vite(その父セクレタリアト Secretariat)という血統で、半兄に99年京都4歳特別(日・GⅢ)を制したビッグバイキング(父シアトルカル Theatrical)、母の半兄に75年のクイーンズプレート(加・GⅠ)、プリンスオブウェールズS(加・GⅠ)を制しその年のカナダ年度代表馬に選出されたレンジョルール L'Enjoleur(その父バックパサー Buckpasser)がいます。
06年の6月にデビュー。未勝利戦を初戦で脱出します、続くコヴェントリーS(英・GⅡ)では15着と惨敗してしまいます。しかしレイルウェイS(愛・GⅡ)で重賞初制覇を挙げると、続くフィーニクスS(愛・GⅠ)も制し、GⅠ初制覇を挙げます。
前走の愛ナショナルSでは1番人気に支持されながらもテオフィロ Teofiloの2着に敗れますが、今回きっちり汚名を返上しGⅠ2勝目を挙げました。
ちなみに次走の英国のニューマーケット競馬場で行われたデューハーストSで、再びテオフィロ Teofiloに敗れています。(詳しくは後日に日記で書きます)打倒テオフィロ!が来年の課題になりそうです。
11万の馬が見せた「豪州ドリーム」 スプリンターズS(日・GⅠ)
10月1日、中山競馬場でグローバル・スプリント・チャレンジの第6戦のスプリンターズS(3歳上・芝1200m)が行われ、1番人気でJ.フォード騎手騎乗のテイクオーバーターゲット Takeover Target(セン7・豪・J.ジャニアック厩舎)が先頭から直線で抜け出すと、10番人気メイショウボーラーを2.1/2馬身差付けて優勝しました。
勝ち馬の父はケルティックスウィング Celtic Swing(1992年生まれ・愛国で繋養?・その父ダミスター Damister)、母はShady Stream(その父アークレジェンド Archregent)という血統。
勝ち馬は03年の7月に行われたセールで1250豪ドル(約11万円)でタクシーの運転手で生計を立てているオーナー兼トレーナーであるジャニアック師によって落札されました。豪州では調教師の副業は珍しくなく殆ど調教師が別に職を持っているそうです。
04年の4月にデビュー。デビューから7連勝でサリンジャー(豪・GⅠ)を制し、GⅠ初制覇を挙げます。
05ー06年はグローバル・スプリント・チャレンジに意欲的に参戦、サマーS(豪・GⅢ)から3連勝で第1戦のライトニングSライトニングSを制しGⅠ2勝目を挙げ、第3戦のキングススタンドS(英・GⅡ)を制し、第4戦ゴールデンジュビリーS(英・GⅠ)でも3着と好走します。
今期も国外の英国のジュライC(英・GⅠ)からスタート。日本に遠征し前走の第5戦のセントウルSで2着と好走、今回も制し合計53ポイントを獲得、最終戦の香港スプリントを残してシリーズ優勝を決め、シリーズボーナスの100万ドルを獲得しました。
次走は香港スプリントで三ヶ国のGⅠ競走を制した追加ボーナス(更に100万ドル)を狙います。それにしても僅か約11万円で購入した馬が、何億ものお金を稼ぐなんてまさに「豪州ドリーム」ですね^^
ちなみに3着には16番人気(最低人気)のタガノバスティーユが入り3連単はJRAGⅠ最高配当の2637570円という大波乱となりました。もしかしたら「日本ドリーム」を掴んだ人もいるかも知れませんね。
それにしても去年はサイレントウィットネス Silent Witnessが優勝し、今年の安田記念をブリッシュラック Bullish Luckが優勝と日本の短距離界の低迷が浮き彫りになりました。短距離で2.1/2馬身差は明らかに実力の差です。頑張って欲しいものです。
またサマー・スプリント・シリーズも日本馬達の敗因に思います。。夏に使い込んでしまったら、10月に行われるスプリンターズSでは疲労が蓄積されていつもの走りが出来ないのではないでしょうか?幾つかの課題が見えたレースだったと思います。
三冠馬の直仔がGⅠ連覇! CLハーシュ記念ターフCS(米・GⅠ)
現地時間9月30日、米国のサンタアニタ競馬場でクレメントLハーシュ記念ターフチャンピオンシップS(3歳上・芝2000m)が行われ、1番人気でV.エスピノーザ騎手騎乗のザティンマン The Tin Man(セン8・米・R.マンデラ厩舎)が逃げて2番人気ティーエイチアプルーヴァル T.H.Approvalを頭差抑えて優勝しました。
勝ち馬の父はアファームド Affirmed(1975年生まれ・01年に死亡・その父イクスクルシヴネイティヴ Exclusive Native)、母はLizzie Rolfe(その父トムロルフ Tom Rolfe)という血統。
父アファームドは78年の米国三冠馬ですが、01年に26歳で亡くなるまで自身を彷彿する様な後継馬に恵まれませんでした。しかしまさか06年になって彼の直仔がGⅠを制するなんて誰も予想しなかったでしょうね。
勝ち馬は01年の9月にデビュー。2歳の時に両足に屈腱炎を発症し、その手術の為にデビューが3歳の9月になってしまいます。
02年のアメリカンH(米・GⅡ)で重賞初制覇を挙げ、その年のクレメントLハーシュ記念ターフ選手権でGⅠ初制覇を挙げます。しかしその後は全く勝ちきれず、更に球節を故障1年以上の休養を余儀なくされます。
06年に入るとドバイデューティーフリーで2着と好走、前々走のアメリカン招待H(米・GⅡ)を優勝すると、続く前走のアーリントンミリオンでイングリッシュチャネル English Channel、カシケ Cacique、ベターとオークナウ Better Talk Now等芝の強豪を抑えて優勝、今回GⅠ2連勝で3勝目を挙げました。8歳馬の快進撃はまだまだ続きそうです。
次走はBCターフではないでしょうか?過去に4着に来たことのあるレース、今度こそ制して欲しいですね^^
米オークスから圧勝の連続! イエローリボンS(米・GⅠ)
現地時間9月30日、米国のサンタアニタ競馬場でイエローリボンS(3歳上・芝2000m)で、1番人気でG.ゴメス騎手騎乗のウェイトアホワイル Wait a While(牝3・米・T.プレッチャー厩舎)が2着馬に4.1/2馬身差を付けて圧勝しました。
勝ち馬の父はマイアズモン Maria's Mon(1993年生まれ・米国のピンオークスタッド Pin Oak Studで繋養・その父ウェイヴァリングモナーク Wavering Monarch)、母はFlirtatious(その父エーピーインディ A.P. Indy)という血統。
勝ち馬は05年の8月にデビュー。初戦こそ5着に敗れますが2戦目で未勝利を脱出し、5戦目のダヴォナデールS(米・GⅡ)で重賞初制覇を挙げます。
初GⅠ挑戦となったアッシュランドSで2着に入り、続くケンタッキーオークスでは3着と好走します。続くサンズポイントS(米・一般戦)で優勝すると次は何と芝に挑戦、アメリカンオークスでアサヒライジングを4.1/2馬身差を付けて圧勝しGⅠ初制覇を挙げます。
その後は芝に転向し前走のレイクプラシッドS(米・GⅢ)も4.3/4馬身差圧勝し、今回も古馬相手に圧勝し4連勝でGⅠ2勝目を挙げました。
次走はBCフィリー&メアターフが濃厚で、優勝候補ではないでしょうか?チャーチルダウンズ競馬場での走りに期待したいです。
古豪相手に信じられない快走! サンチャリオットS(英・GⅠ)
現地時間9月30日、英国のニューマーケット競馬場でサンチャリオットS(3歳上牝・芝1600m)が行われ、5番人気(最低人気)でM.ヒルズ騎手騎乗ののスピニングクイーン Spinning Queen(牝3・英・B.ヒルズ厩舎)が2着のソヴィエトソング Soviet Songに9馬身差をつけて圧勝しました。
勝ち馬の父はスピニングワールド Spinning World(1993年生まれ・豪州のクールモアオーストラリア Coolmore Australiaで繋養・その父ヌレイエフ Nureyev)、母はOur Queen of Kings(その父アラジ Arazi)という血統。
観戦していた人は信じられない光景を目の当たりにしたと思います。5頭立てとはいえ、古豪のソヴィエトソング、アレキサンダーゴールドラン Alexander Goldrunに加え、愛メイトロンSを7連勝で制したレッドエヴァー Red Evieなど強豪が揃ったレースで誰もがその3頭で決まるものだと思っていました。
ところが軽快に逃げるスピニングクイーンをどの馬も捕まえることが出来ず、それどころか残り200mで一気に突き放し9馬身も差を付けて圧勝したのです。
勝ち馬は05年6月のデビュー。デビュー戦こそ勝利しますがその後は全く勝ちきれず、10戦目でようやく2戦目を挙げ、続くブラウンズタウンS(愛・GⅢ)で重賞初勝利を挙げますが、その後全く勝ちきれず、今回15戦目にして4勝目を挙げました。もちろんGⅠは初制覇となります。
馬が本格化したのか、それともflukeか?次走で刮目したいと思います。(9馬身差を付けてまぐれはないと思いますが・・・^^;)
大井所属の内田博幸騎手、地方・外国人騎手の年間勝利記録を更新!
9月30日、中山競馬場で行われた12R(3歳上500万下・ダ1200m)でナカヤマパラダイス(牡3・日・二ノ宮敬宇厩舎)が優勝し、鞍上の内田博幸騎手(35・大井・荒井隆厩舎)が年間56勝目を挙げ、安藤勝己騎手が持っていた地方・外国人騎手のJRA年間勝利記録の55勝を更新しました。
内田博幸騎手は89年にデビュー。04年に413勝を挙げ南関東リーディングとなり、更に05年には465勝を挙げ、2年連続の南関東リーディングジョッキーとなったと同時に南関東4競馬場(大井、川崎、船橋、浦和)全てでリーディングを獲得するという偉業を達成しています。
05年に通算2000勝を達成し、今年の7月には通算2500勝を達成しています。
交流GⅠも今年だけでも川崎記念、かしわ記念、帝王賞をアジュディミツオーで、ジャパンダートダービーをフレンドシップで制しています。
JRAでの成績も素晴らしく03年の共同通信杯ラントゥザフリーズで、05年のニュージーランドトロフィーをマイネルハーティーで、今年の根岸Sをリミットレスビッドで重賞制覇を挙げており、更に今年のオーシャンSでは船橋競馬所属のネイティヴハートで16頭立ての14番人気という低評価を覆して優勝しています。
また今年の4月には地方競馬所属騎手として初の12競走中6勝するという快挙を成し遂げています。GⅠでも地方騎手としては異例の常連となり、「内田効果」でオッズが上がることもあります。
秋競馬が始まりJRAのGⅠに乗る機会も増えます。地方所属騎手のGⅠ制覇、99年フェブラリーSのメイセイオペラで制した菅原勲騎手、04年の菊花賞をデルタブルースで制した岩田康誠騎手に続く快挙に期待したいですね^^